新海苔の季節

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弊社の農園は君津市と富津市の境で、富津岬まで車で10分くらいで行くことができます。周りには海苔屋さんが何軒もあって、敷地に海苔漁の船や網が置いてあるお宅もあります。富津は全国的にも有名な海苔の生産地なのです。この時期、地元の方は「早く食べたい」と新海苔を心待ちしています。それは出始めが一番美味しいからだそうです。私も初物をいただきました。柔らかく甘く磯の良い香りがします。海苔はビタミンやミネラルを多量に含んだスーパーフーズだそうです。地元の方たちは日常的に海苔を使っていて、サラダは海苔ドレッシングで食べます。また鰹節を巻いた海苔巻きは「テッポウ」と呼ばれ、忙しい時のファーストフードのように「今日はテッポウで済ませちゃった」と言います。
昨年まで2年続けて不漁だったので今年に期待したいところです。最近の不漁の原因は海水がきれいになりすぎたかららしいです。「水清ければ魚棲まず」は本当のようです。
昔は真冬に網についた海苔を手で摘み取る過酷な作業でしたが、今はすごく機械化されています。海苔船独特のフレームを伸ばして、シビの間に張った網を掬い上げそのまま網の下に侵入します。船の前方に設置されたローターが回転し網から海苔を採取していきます。船は網の下を潜り抜けます。稲刈りのコンバインもすごいと思いましたが海苔船もすごいです。
今流通している海苔はナラワスサビノリという品種で昔のアサクサノリとは別品種とのこと、野生のアサクサノリは栽培が難しく絶滅危惧種に指定されているそうで、保護のための養殖も試験的に行われているようです。アサクサノリはとても美味しかったと言われていますから、復活してくれることを祈ります。
写真は新富津漁港の海苔漁船です。